「硬いものを噛ませれば歯が丈夫になる」「ひづめや骨をあげれば歯石が取れる」——そんなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

動物病院に来院する犬の半数以上が、何らかの歯科疾患を抱えているとされています。ところが元気に食事をとっていると、歯周病はかなり進行するまで見逃されがちです。それもそのはず、歯石はあっという間に形成されてしまうのです。

歯垢は6~8時間、歯石は3~5日でできる

歯の表面には、唾液中の成分や細菌が付着してプラーク(歯垢)という薄い膜ができます。これをそのままにしておくと、唾液中のミネラルが沈着して歯石という硬い状態に変わります。歯石になってしまうと、家庭でのケアでは基本的に除去できません。

ブラッシングをせずに放置すると、6〜8時間でプラーク(歯垢)が形成され、3〜5日で歯石に変わり始めます。理想は毎食後ですが、現実的には3日に一度のブラッシングでも、歯石化する手前でギリギリ食い止められます。

歯石の付きにくいフードと付きやすいフード

一般的に、ドライフードはウェットフードより歯垢が付きにくいとされます。理由は硬さだけでなく、水分の多いウェットフードは歯や歯肉溝に貼り付きやすいためです。同じドライフードでも、小粒で食べやすいものは噛む回数が少なくなりがちで、大粒のものより歯垢が付きやすいとされます。

一方で、「硬ければ硬いほど良い」わけでもありません。牛や豚のひづめ、骨、硬すぎるプラスチック製のおもちゃは、歯が欠けてしまうリスクもあるからです。

「歯垢・歯石ケア」をうたうフードやおやつに対して、米国獣医口腔衛生委員会(VOHC:Veterinary Oral Health Council)という第三者機関が、2回の臨床試験で歯垢または歯石を20%以上減少させることを基準に審査し、基準を満たした製品にのみ認証シール(VOHC Seal of Acceptance)を与えています。パッケージの謳い文句だけでなく、こうした第三者認証の有無を確認するのを習慣づけましょう。

わんこにも歯磨きを!

年齢が上がるほど歯周病の発生率は高くなりますが、犬種による差も大きく、小型犬種は中型・大型犬種に比べて歯周病にかかりやすいとされています。また、重度の歯周病は口の中だけにとどまらず、心臓や腎臓など全身への影響が報告されています。

まずは3日に一度の歯磨きブラッシングから始めてみることをお勧めします。

参考文献