「グレインフリー」という表示、なんとなく体に良さそうなイメージがあると思います。今回は、そもそもグレインフリーとは何なのか、そして本当にそのイメージ通りなのかを整理します。

グレインフリーとは、単に「穀物を使っていない」という意味

グレインフリーとは、小麦・とうもろこし・米・大麦・オーツといった穀物を原材料に使っていないフードのことです。「消化に良い」「体に優しい」というのは、あくまでイメージであって、グレインフリーフードにそうした効果が期待できるわけではありません。

穀物を使わずに、原材料のほとんどすべてを動物性たんぱく質とするエサは、ウェットフードやエアドライフードであるならば可能ですが、ドライフードは通常、炭水化物をつなぎとして使用します。そして、グレインフリーフードでは、このつなぎの原材料を穀物ではなく、別の原材料で代用しています。多くの場合、じゃがいも・さつまいも・タピオカといったイモ類、または、えんどう豆・レンズ豆・ひよこ豆といった豆類が使われます。

「グレインフリー=アレルギー対応」は、よくある誤解

グレインフリーを選ぶ理由として一番多いのは、「アレルギーが心配だから」だと思います。ただしこれは、実はあまり的を射ていません。

犬の食物アレルギーの原因として比較的多いのは、牛肉・鶏肉・乳製品・卵といった動物性タンパクです。穀物、特に小麦がアレルギーの原因になるケースは、食物アレルギーを持つ犬全体の一部にとどまるとされています。つまり、グレインフリーのフードに切り替えても、そこに含まれる鶏肉や牛肉が原因であれば、症状が改善しない可能性があります。

本当にアレルギーが疑われる場合は、自己判断で「穀物を抜く」だけで済ませず、動物病院での指導のもとで行う除去食試験(新奇タンパクや加水分解タンパクのフードだけを一定期間与えて、症状の変化を見る)を行うことをおすすめします。

イモかマメか

グレインフリーフードで注目すべきは原材料がイモなのか、豆なのかという点です。特に、えんどう豆を主原料として多く使った設計については、心疾患との関連が指摘され、現在も研究が続いており、結論が出ていません。えんどう豆の多用がタウリン(心機能に関わる成分)の生成に影響しうることが示唆されています。

一方、イモ類を主体にした設計では、こうした懸念は特に指摘されていません。ドーベルマン・ボクサー・グレートデーンなど、心疾患の遺伝的リスクがあるとされる犬種の場合は、えんどう豆が主原料のフードは、少し慎重に選んだ方がいいかもしれません。

穀物アレルギーの診断がある場合を除けば、「グレインフリーだから」という理由だけでフードを選ぶ積極的な根拠は、あまり見当たりません。あえてグレインフリーフードを選ぶ際は、穀物の代わりに何が使われているかを一度確認してみることをお勧めします。

参考文献