目の下の毛が赤褐色に変色する「涙やけ」。ある調査では約40%の犬に確認されたと報告されています。「涙やけ改善」を謳うフードも多く、「抗アレルギー」「お腹の健康」といった謳い文句が目立ちますが、実際のところどうなのでしょう?

アレルギーが原因?

涙やけのある犬・ない犬33頭のアレルギー反応の指標を比較した研究では、両者に有意差はありませんでした。つまり「抗アレルギー」を謳うフードの理屈は、これらの研究では裏付けが弱いということになります。

腸内環境が関係している可能性?

同じ実験で、涙やけを改善したある1頭において、便のpHが下がり、短鎖脂肪酸濃度が上がったことが報告されています。つまり、涙やけがおさまると同時に、腸内環境が良い方向に変化したことを示唆する数値が出たのです。これをもって、「腸内環境を整えると涙やけが改善するかもしれない」という仮説は立てられますが、たった1頭の事例に過ぎず、一般化するには時期尚早のようです。

主な原因は「顔の作り」

結局のところ、多くの場合、涙やけを引き起こしているのは、顔の構造です。涙やけは、涙が鼻涙管を通ってうまく排泄されず、目からあふれることで起こります。特にマルチーズやトイプードルなどの小型犬は、目のくぼみが浅く眼球が前に出ていること、まぶたと眼球の間の「涙だまり」が浅く排水しにくいこと、目頭の被毛が涙で濡れて涙膜の流れを妨げることなど、生まれつき涙やけを起こしやすい顔の構造をしています。

そのため、毎日のお手入れで目の周りを清潔に保つことが、唯一の予防策のようです。もし、涙やけが急に悪化した場合は、鼻涙管や瞼の状態を一度動物病院で診てもらいましょう。

参考文献